三田界隈


聖坂(ひじりざか・竹芝の坂)

所在地

三田4丁目の13、14番と15番の境から、3丁目の3番と4番の境を下る坂です。
桜田通りと第一京浜国道の中間に位置する坂で、地下鉄都営浅草線「三田駅」から徒歩約4分、JP「田町駅」から第一京浜国道を横断し徒歩6分ほどで坂下に出ます。

特徴

幅員10~12メートルのスロープで、途中で折れ曲がっており、坂路が長く、上半分はやや急な坂です。
この折れた部分から下半分は小規模の建物が多く、逆に上半分は大規模な建物が多いです。両側に歩道が整備され、建物も新築の建物が多く、街路樹はなくスッキリとした感じがこの坂の特徴です。 折れ曲がった部分から北西に「潮見坂」があります。

由来

かつてこの辺に「高野聖」が住んでいた、あるいは聖商人の旅宿があったといわれ、高野聖の開いた坂と言われています。 別名「非知(ひじり)坂」「竹芝の坂」とも呼ばれています。
高野聖とは、高野山に所属していた僧が、本山の観念的な思想を不満として旅僧となり、諸国を歩いた行動派の呼称です。 後に、布類やその他の物資を負って行商するものが多く、それらを聖商人と呼びました。 また、かつてこの周辺は「聖坂町」と呼ばれていました。

周辺の状況

屈折部分にある「潮見坂」からは、かつて海が見えていたと言います。潮見坂を上り「普通士学園」を左に進むとやがて「蛇坂」に出ます。
聖坂の屈折部分には「阿含宗関東別院」があり、坂下からはこの建物が正面に見えます。 周辺は学校、宗教施設、マンションが多く、上半分の西側には小さな「亀塚稲荷神社」があり、境内には港区指定文化財の「弥陀種子板碑」が3基あります。 港区で現存しているものでは最古の板碑です。
亀塚稲荷神社よりさらに上の西側には「クウェート大使館」と「区立三田中学校」が隣接して建っています。
坂を上ると、坂上には「区立亀塚公園」があり一休みできます。 さらに進むと西側に「幽霊坂」があります。

綱の手引坂(小山坂・姥坂)

所在地

「桜田通り」から、三田1丁目と三田2丁目との間を西側に上る坂です。
都立三田高等学校、区立赤羽小学校の脇を上ります。 坂上には「東京簡易保険事務センター」(現在は解体済み)および「三井倶楽部」があり、さらに進むと「オーストラリア大使館」があります。 この周辺は「日向坂」の坂上でもあり、日向坂を下ると「二の橋」および「二の橋交差点」に出ます。

特徴

幅員10メートル程度の穏やかな勾配のスロープで、長い直線上の坂です。
非常に緩やかな勾配のため、どのあたりから坂が始まっているのかわからない坂で、幅員は広いですが途中で変化しています。 歩道は両側が整備されている場所とされていない場所があり、街路樹はありません。
勾配が極めて緩やかで、知らず知らずのうちに上っている坂であるところが特徴です。

由来

坂名は、この地が「渡辺綱」の出生の地であるとの説に由来しています。別名「小山坂」「姥坂」などと呼ばれます。
小山坂とはよく言われていますが、これはこの地が旧三田小山町であったからです。

周辺の状況

「桜田通り」の「三田国際ビルディング」の脇から入る坂です。
坂上には、近代建築をそのまま活用し、三田台郵便局としても使われている「東京簡易保険事務センター」(現在は解体済み)、そして「三井倶楽部」があり、一昔前の趣を味わえます。 その反面、現代的な「オーストラリア大使館」があり、新旧の建築を見ることができます。
坂上をさらに西に進むと「日向坂」が下っています。この坂は幅員が広く急勾配です。 日向坂の向うには古川が流れ「二の橋」がかかっています。その上には高速2号目黒線が通っています。
日向坂上から綱の手引坂をみると、長い緩やかな下り坂がどこまでも続いて いるように見えます。